「ベトナム製」が「中国製」の代わりになれない理由

ベトナムは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死者が未だゼロであり、感染症との戦いに勝利しアフターコロナにおいても経済的勝者になる可能性があると目されている。

折しも米中関係は悪化する一方であり、ベトナムは中国の代わりになる、いわゆる「チャイナプラスワン」戦略で注目されている。

しかし、実際にはベトナムが中国の代役になるのは難しいかもしれない。

中国

香港APEC貿易政策研究グループのエグゼクティブディレクターであるデビッド・ドッドウェル氏は、サウスチャイナ・モーニング・ポストの記事でベトナムと中国のいくつかに違いについて言及した。

第一に規模の違いがある。アナリストによると、2018年のベトナムの国内総生産(GDP)は中国の55分の1であり、中国の15の省はベトナム全体よりもGDPが大きい。

さらに、中国には約8億人の製造労働者がいるのに対し、ベトナムにはわずか5500万人しかいない。
また、2017年、世界の製造業生産高に占める中国のシェアは28%を超えていたが、ベトナムのシェアはわずか0.27%だった。

第二に、技術的な問題があげられる。上海のコンテナ港は4,000万のコンテナを処理できるが、ベトナム最大のホーチミン市の港は、615万のコンテナしか処理できない。

電力需要増大への対応も課題である。今月、フック首相は夜間の看板の消灯など、電力使用量の削減を要請した。 

また、中国の国内消費市場は急速に拡大しているため、中国で生産した製品を輸出しなくても、大きな利益を期待できる。
一方、ベトナムの国内市場は依然として小さい。ベトナムの1人当たりGDPはリビア、グアテマラ、ベリーズなどの後進国をも下回っている。

また、トランプ大統領はベトナムに対しても対米貿易黒字を削減するよう迫っている。
フック首相はトランプの要求に応えるため、ボーイングの大型旅客機を含む、数十億ドル相当の対米輸入契約に署名した。
それでも対米貿易黒字の上昇を止めることはできず、2019年の黒字額は前年の349億ドルから、470億ドルに増加した。

もしトランプ大統領が11月の大統領選挙で再選を果たし、米国の貿易赤字削減に固執し続けるとしたら、ベトナム政府はアフターコロナにおいて「中国の代役」として上手く立ち振る舞う必要がある。

出典:ASIA TIMES

【Amazonおすすめ】図解 チャイナ・プラスワン戦略早わかり (1時間でわかる)

関連記事:  2020年5月の消費者物価指数は2.4%プラス、交通部門はマイナス23%

コメント

カテゴリー

月別

タイトルとURLをコピーしました